本文へスキップ

千葉県で納税者の権利を擁護する団体・千葉税経新人会

士業の方からの電話でのお問い合わせはTEL.043(252)0001

千葉県千葉市稲毛区宮野木町1057-1ドットコム2階

会長からのご挨拶

会長からのご挨拶 定期総会 2023年7月15日 黒川豊


わたくしたちを取り巻く最近の情勢について

(1) コロナからの脱出と今後の状況について

コロナが5類に移行しコロナ禍以前の様な日常を少しずつ取り戻し始めましたが、会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか? -情報伝達や意思疎通などの表現、また意思を伝え合う交流を図るなどの行動を指すことをコミュニケーションと言いますが、この4年間はコミュニケーションのあり方を根底から変えてしまいました。
長かったこの期間で感じたことは、人は「当たり前のこと」ほど、それに対する感謝の心を忘れがちです。その当たり前のことが、どれほどありがたいことなのか、身をもって実感する必要があることを感じました。当たり前のように人と直接会って学び、一緒にお酒を飲み大笑いをしてストレスも発散できたことがどれだけ貴重で大事なことであったかを。

政府が6月7日に23年の「骨太の方針」の原案でコロナ対策などを有事で膨らんだ財政出動を平時に戻すとしました。コロナ禍やウクライナ危機をめぐっては例年数兆円規模だった補正予算が20年度は73兆円、21年度22年度はいずれも30兆円を超えましたので大変なことです。
予算も平時に戻すと掲げても恒久的な歳出増に歯止めをかけるのは容易ではないでしょう。政府は27年〜28年頃に「少子化対策」と「防衛力の強化」に取り組むと発表をして、具体的には少子化対策は30年代初頭にかけて22年度の子ども家庭庁の予算4.7兆円の倍増を目指し、防衛費も27年度までの5年間で14、6兆円程度を追加で見込むと発表しております。そして、少子化対策をめぐって政府は社会保険料に上乗せして、企業や幅広い世代から支援金を集める方針であるようです。また、そんな中でも国と地方の基礎的財政収支を25年度に黒字化する目標維持をする方針のようですが実現できるか疑わしいのが実情です。
財政健全化を進めるには、赤字国債に頼らない恒久財源を手当てする必要がありますが、単純に税や社会保険料への上乗せすることではなく、つなぎ国債も最後は国民の負担としてはねかえってくるので、歳出改革の徹底が欠かせなく医療や介護の分野も含めた無駄な給付の抑制などが急務となります。また、高齢者の中でも医療等の負担ができる方々には能力に応じて負担をしていただかざるを得ないでしょう。

(2) コロナ禍の中小企業への支援策について
私たちが関与している中小企業の実情としては、実質無利息無担保のゼロゼロ融資を始めとした新型コロナウィルス関連支援の終了や、物価高が企業の重荷となっています。深刻化する人手不足や人件費の高騰も業績回復に光を指している中小企業にとって向かい風が強まっており、今後の物価高がさらに深刻化した場合、今の水準を上回る企業業績の悪化が心配です。現に、私の顧問先様でも5000万円の貸倒れとなるのでは?という事案も発生しております。納税者と税理士とのつながりは、税法等の知識面だけでなく、不安定な状況に置かれた事業者への精神的な支えにもなる必要もあります。今後も関与しているお客様に倒産や廃業をさせないために会員同士が情報提供し合い、全力でサポートしていきましょう。

(3) 税務調査の現状について
4年にもおよぶコロナ禍をきっかけに今までのような税務調査手法から一転し、内部調査に力を入れ、ピンポイントでの税務調査実施に変更をしております。現場に行かずに取引先などから資料を集めて、確信を持って税務調査を実行する手法が増え税務署側も人手不足や能力不足を補っているように感じます。

(4) マイナンバーカードでのトラブル続出
河野大臣「不安与え申し訳ない」マイナンバーカード、トラブル続出に謝罪!
ある機関の世論調査では、マイナンバーの活用に「不安を感じている」と回答した人は「大いに」と「ある程度」をあわせて72%にのぼりました。このところトラブルが相次ぐマイナンバーで新たな問題です。国からの給付金を受け取る本人口座として、家族の口座を登録している例が多く報告されていることが分かりました。河野デジタル相は7日、マイナンバーと公的給付金の受取口座のひもづけを巡り、本人以外の家族名義の口座を登録する事例がおよそ13万件あったと発表しました。また、全くの他人の口座と誤って登録したと疑われる事案が748件あったとも。秋には発足から2年を迎え、制度の改善はもちろん、組織運営の検証も進める必要があるだけにとどまらず、マイナンバー制度の存立そのものが問われる重大な問題です。

(5) インボイス制度のスタートと電帳法改正に伴う電子取引データへの備え
いよいよ23年10月からはインボイス制度がスタートです。
10月からは私どもは実務の中で要件を満たした適格請求書の発行があるか?などといったチェック業務が大幅に増加することになります。そして、記載が不十分である場合などの場合には、お客様の仕入先や外注先などが適格請求書の発行に対応しているか、つまり課税事業者であるかどうかを確認したうえで業務を進めていかなければなりません。想像しただけで、事務所内で余分な確認作業に追われるスタッフの姿がイメージされます。中小企業者も厳しい状況ですから、報酬据え置きで業務量だけが増えることを懸念しております。

(6) 電子帳簿保存法
電子帳簿保存法の23年度税制改正大綱で経過措置ではなく、本法の中に「出来ないなら仕方がない!」※というものが加わり事実上骨抜きになりました。中小零細企業が対応しきれないという実情を認めざるを得なかったのでしょう。
※出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする。
20年の日本のデジタル競争力は63か国中27位(総務省より)と、過去には一位二位を競っていた時代が嘘のようです。改正電帳法とデジタルインボイスについては、改正電帳法はデジタル化の終着点ではなく、出発点だと思われます。難しい機械、複雑なソフト、高価なシステムといった社会インフラが整っていない状態では、末端のデジタル化は進みません。「簡単」「便利」「安価」で活用出来なければ誰も利用をしないからです。

(7) 相続対策や顧問先様の高齢化に伴う認知症対策
私達のお客様も高齢化により社長等がある日突然、認知症になり「銀行でお金が下ろせない」「不動産が売れない」など、いざお金が必要なときに使えないといった現実をどう回避させるかなど切実な問題解決を事前に提案する立場でもあります。
現在、税理士・弁護士・司法書士で家族信託の勉強会を実施して9月の全国研究集会での発表準備をしております。実際に信託の勉強をしてみますと、税負担が減少することは基本的にはありませんが、様々な契約方法により何百種類という設計ができる観点で、同じ富士山でも山梨県や静岡県、神奈川県のそれぞれからの見え方が異なるように慎重な注意を弁護士・司法書士などと連携して実施しなければならないと痛感しました。
また、来年3月に期限が迫る事業承継税制の適用の有無の検討と特例承認計画書の提出などの説明や準備も必要となってきております。

(8) 新人会のコロナ禍での活動と税理士を取り巻く環境について
家族は97%だった。
医者は80%台、裁判は72%、教師や警察は60%台、政治家や官僚18%。この数字を見て皆さんは何を想像されますか。実は、この数字は朝日新聞社が今年2月から3月に全国の男女3千人を対象に行った世論調査で「信用しているもの」を聞いた結果だそうです。やはり人は家族に安らぎやぬくもりを感じ、最も信頼できる存在と考えているのでしょう。当然の結果といえば当然ですが、今の住みにくい世の中ではなおさらのことかもしれません。では、経営の世界ではどうなのでしょうか。
中小企業の相談相手やお金にまつわることに関することで、「最も信頼できる人」という調査では、必ずと言っていいほど税理士が上位にランクされます。
私はこの調査結果を誇らしく思いますし、そうあるべきで、そのための努力も惜しまないように心掛けなければなりません。そのためにはやはり毎月の例会や実務問題検討会への積極的に参加を促し、他の会員からの積極的な情報収集の継続が必須です。

千葉税経新人会としてこの一年を振り返りますと、素晴らしい例会がいくつも実施できました。
毎年恒例でもある税理士坂野上満氏(当会会員)、税理士大畑智宏氏や中央大学法科大学院酒井克彦教授、「資産税の神様」と言われるほど人気のある税理士笹岡宏保氏、税務調査に強い税理士小田川豊作氏など権威のある講師の皆様を招聘することが出来ました。限られた予算のなかで実施できたのは、研究部皆様の熱意と努力の賜物です。

実務問題検討会は、専らZOOMで実施することになり利便性は向上したのですが、毎回参加する会員が固定化しつつある傾向も問題の一つです。今後はアフターコロナの中で可能な限り臨場での実務問題検討会を増やし、会員の皆さまと直接笑顔で交流できることを期待しております。今年の仙台全国研で千葉税経新人会が家族信託の研究発表をします。ぜひ皆さまとリベンジ旅行でお会いできることを楽しみにしております。

(9) 最後に
最後に今期一年間会員皆様の絶大なるご協力に厚く感謝申し上げます。
毎回の例会で講師の方への依頼、会場の手配、参加者の認定研修団体として登録申請をしていただいた研究部会員皆様、自動引き落としに尽力された財政部の会員皆様、毎月交代で新人会ニュースの発行作業をしてくれた広報部会員皆様、また納税者支援部や制度部の先生によるインボイス制度の矛盾点の提言をするなどコロナ禍でも頑張っていただき、多くの会員皆様に支えられ一年間会務を遂行することができました。

私たちは千葉税経新人会を通して勉強や研究をして理解を深め、「こんなに力強い税理士がいるんだ」と実際に困窮している人と巡り会い難題を解決していく・・・、その繰り返しです。
アフターコロナの中で会員同士が協力し合い一層、税務、法務、労務等の研究をして厳しい中小企業の手助けを続けていきましょう。

千葉税経新人会 会長 黒川豊







後ろ向きより前向きに、マイナスよりプラスで、まずいと思うよりおいしいと思うほうがいい、悲しいと思うより、嬉しいと思うほうがいい、涙よりも笑顔が好き!そんな仲間達と一緒にがんばりましょう!


(顧問先様にメルマガという形で会長就任をご紹介したら、胡蝶蘭が::: お客様本当にありがとうございます。会でがんばってお客様に還元するという気持ちです!)

今後の目標!


人は人と出会い、人によって磨かれ、そこから新たな人生が始まります。会員111名!
(2023.12.14現在112名)さらなる会員の増強を目指して頑張ります!

人は出会って知人になり、語り合って友となり、活動しながら仲間となる。みんなで仲良く悩んで、解決しましょう!




千葉税経新人会 お問い合わせは

〒263-0054 千葉県千葉市稲毛区宮野木町1057-1ドットコム2階
黒川税理士事務所内
TEL 043-252-0001(代)
FAX 
043-252-0028


 
chibazei.com